仮想通貨ブームが生まれ,しばらく経ちました。
爆発的な利益を得た人を「億り人」などと呼ばれ話題にもなり,今も新たな仮想通貨に夢を抱き多くの人が保有している状況です。
そんな仮想通貨ですが,皆さんマイニングをして得ていることをご存じですか?
そのマイニング作業のかかる電気料がヤバいらしいとの事ですが,一体どういうことなのか探ってみました。
★今回の内容★
そもそも今更・・仮想通貨のマイニングって何?
マイニング=採掘作業をあらわしていますが,実際にツルハシを持って洞窟に籠もるわけではありません。
そういう表現で呼んでいるだけです。
実際は
仮想通貨の取引システムに参加した報酬として通貨を得る作業のこと
を指しています。
というのも,仮想通貨の取引は過去から現在に至るまでの取引記録を台帳によって記録されており,その取引台帳は定期的に更新されることで整合性を保っています。
その更新作業は特定の機関が存在し,管理しているわけではありません。
マイニングに参加している皆さんが各自持っているパソコンでおこなっているのです。
なぜなら、取引台帳の更新・確認作業には莫大な計算・処理がおこなわれる為,その作業を一括で管理し続けるには,とてつもないハイスペックなパソコンを何台も用いる必要があります。
であれば,それぞれが持っているパソコンの力を借りて,その作業をやってもらおうというわけです。
そして作業を負担してもらう代わりに「ご褒美」があります。
それが新規の仮想通貨です。
要するに,取引台帳の管理をマイニングに参加している方々に任せて,取引台帳の更新・追記作業を正確に終えた方には,報酬として仮想通貨を発行するという仕組みです。
この仮想通貨市場は参加者皆さんの力によって運営されているわけですね。
鉱山で採掘する→金を見つける→市場に流通させる
という一連の流れに似ていることからマイニングと名付けられたということでしょうか。
仮想通貨は参加者全員に発行されるわけじゃない
というわけで,マイニングに参加して仮想通貨が発行されて全員ハッピー・・とはなりません。
新規で仮想通貨が発行されるのは
1番早く演算処理を終了させた人
です。
2番目も3番目もご褒美はナシ。
マジですか・・・。
となれば皆さんが考える事は
「誰よりも早くマイニングをする」
ということです。
その為には,「より高性能のコンピューター」と
それを持続させる「電気量」が必要になるんですね。
現在はマイニングにも注目が集まりだし,通貨取引だけでなく自分で採掘を直接やってみようと考える人も増えました。
また,マイニングをしやすい環境(ソフトウェアや専用パソコン)も整ってきているので,ますます競争率が高まっている状況です。
つまり通貨獲得が難しくなってきているということですね。
ちなみに・・・
量販店で売られているノートPC程度では,仮想通貨界では非常に有名なビットコインなどのマイニングは歯が立たないようですよ。
流通量や知名度によって採掘の難易度が変わってきます。
経験する意味では良いかもしれませんが,それで収益を得ようとするのは厳しいかもしれません。
マイニングの電力消費量と電気代がヤバい
競争が激化しているマイニングですが,高性能コンピューターをひたすら稼働させ続けるということで,消費電力がものすごいようで話題です。
マイニングには当然企業も参加しています。
数え切れないほどのコンピューターが常時起動し続ける電力と,そのコンピューターから発せられる熱を抑えるために、冷却する電力も必要になります。
とある経済学者によると
「2018年末にビットコインのマイニングによる電力消費量は,世界の電力消費量の0.5%に達する。」
と言われています。
・・・まぁ0.5%といわれるとさほど大したことではないのでは?と思ってしまいますが,仮想通貨の1つであるビットコインのマイニングのみで,世界のあらゆる電力消費量の0.5%と考えると結構大きな影響だとも受け取れますね。
テレビみたり、ゲームしたり、洗濯したり、電車走らせたり、エアコンつけたり、レンジでチンしたり・・・という全世界の消費電力の0.5%ですからね。
ちなみに一説によると,ビットコインマイニングの年間消費電力は,国の消費電力と比較するとカタール(58位)とブルガリア(59位)の間だとかなんとか・・。
いやいや余計にわかりにくいよって話ですが,一国の消費電力を上回る電力って凄みを帯びてきませんか。
とまぁ話が大きくなってきたので
イチ個人に話を戻して、仮想通貨に代表されるビットコインをマイニングするとした時の電気代を算出してみたいと思います。
まず通常のノートパソコンの消費電力が
80~100Wとして
月の電気代が 約1000円前後
このままでもマイニングを開始できないわけではないのですが
先述した通り激しい競争の中で1番を勝ち取るためには、性能をあげなければなりません。
特にビットコインマイニングに参戦する場合には,カスタムは必須です。
というわけで
エーシック(ASIC)の導入をするとします。
これは、「特定用途向け集積回路」と呼ばれ,特定用途=マイニングをするためのパワーアップアイテムですね。
エーシックによって,パソコンのCPUを使うより処理するスピードが向上します。
それによって消費電力もさらに跳ね上がります。
そのエーシックの消費電力が
1300W程度と仮定して
月の電気代は 約15,000円前後
となっています。
合計すると
月の電気代は約16,000円
年間にして192,000円!!
演算処理が早くなる一方で,電気代がヤバいことになりますね。
このランニングコスト以外に,イニシャルコストとしてパソコン代などが掛かるわけですから,なかなか気軽には始めにくいものがありますね。
ちなみに、お金を貯める方法は仮想通貨以外にもたくさんありますから,分散することをオススメします。
(それらについてはコチラをご参照ください)
生半可な装備では仮想通貨マイニングは割に合わない
色々書いてきましたが,結局のところ仮想通貨マイニングは
「儲かるのか・儲からないのか」という点において申し上げると
初期投資を大きくするほどに儲かる可能性はあるが,リスクも高いので,参入するのであれば全力で。
というところです。
お金を出して,よりハイスペックの環境でマイニングをおこなえば,発行される仮想通貨の量も増えますし,その通貨が高騰すれば価値も上がって利益につながるでしょう。
しかしながら
・ライバルが増える(マイニングしにくくなる)
・通貨としての市場価値が落ちる
・マイニングの難易度調整
というようなリスクも考えられます。
必死にマイニングをしていても保有している通貨の価値が吹き飛んでしまったりすると,初期費用の回収はおろか使用した電気代も掛かりますので,割に合わないどころの話ではないです。
本人の初期投資と運にも左右されますが,儲けられる可能性が無いとも言えませんので
やるのであれば,とにかくガッツリ取り組む必要があるでしょう。
1番良くないのは,中途半端な環境で何となく儲かるかなー程度で参入しようとすることでしょうか。
マイニングも全くはかどらず,割に合いません。
ちなみに,お持ちのスマートフォンでも仮想通貨マイニングは可能です。
専用アプリをダウンロードし,あとはひたすら起動させておけばOKです。
もちろんバッテリーの消費と発熱がスゴいことになります。
あまりに夢中になりすぎて気がつけばスマホが故障していた・・
などということにならないようにご注意ください。それはそれで大きな損失です。
さらにあらかじめ申し上げておくと・・
スマホの性能はお世辞にもマイニングに向いているとは言えませんので,一攫千金を夢見るのは諦めたほうがよさそうです。
有名な通貨は1日中起動させたところで,1コインにはほど遠い採掘量でしょう。
というわけで仮想通貨の世界も多数の企業が参入し,一時に比べて旨みが失われています。
しかし市場は安定していないので,可能性はあります。
個人で収益を得るのであれば,じっくり腰を据えて挑む必要がありますね。
また,今後は電力消費量の対策が課題だと思います。このまま参入する方が増えていくと,環境への影響を懸念して,思わぬ規制が入ってしまうかも知れません。
個人的には割に合わない気がしますけど,参入するには今がチャンスかも・・?
ということで,不思議な仮想通貨マイニングの世界について書いてみました。