日頃勤務している中で同業者と接していると、仕事をサクサク進める人と慎重に進める人の2パターンが存在するなぁと感じることがあります。
私はどちらかというと性格的に慎重とはいえないのですが、今回慎重な人とチームを組む機会がありました。
その中で体験し感じた出来事があったので記していきたいと思います。
自分とは対照的な仕事のスタイル
今回チームを組んだ方々は、普段の人との接し方も穏やかで心優しい印象がありました。
一方で、何かと相手の気に障っていないかをとても気にする人のような印象を持ちました。
実際に仕事上でチームとして組んでみると、自分の思った印象がそのまま仕事に反映されるようなスタイルで、まさに石橋を叩いて渡るような堅実な人でした。慎重派です。
その一方で私は石橋で例えていうなら、まず安全かどうかは渡ってみればわかること。
渡れなかったらその時に改めて改善すれば良い。というようなタイプです。
人付き合いもわりと竹を割ったようにサバサバしている部分もあると思います。
そんな様子から自分とは逆の位置にいる方だなぁ。と思って仕事をしていると、互いの長所と短所が徐々に見えてきました。
慎重派の方はじっくり取り組むので、その分フットワークが落ちます。
また、必然的に視野が狭くなり幅広く取り組むことができないという短所が見えます。
しかし、その分ひとつひとつの確認がしっかりしており、ミスが少なく正確な書類を仕上げてくるなどの長所があります。
私のスタイルは80~90%程度の完成度を目安に進めていくため、細かな部分においての粗さやミスが目立つことが短所です。
しかし、スピード感はあるためサクサクと色々なことに取り組めるフットワークの軽さがあります。
また、複数の事案を受け持つことで合理的な答えを出せる時もあります。
2つのスタイルが生む好循環
こうした2つのスタイルが組み合ってチームで仕事をしていくと、時々もどかしい思いをすることもありました。
いつものようにサクサクとAの書類を仕上げ確認をお願いしてもらっている時のこと。
(Aの確認書類が終わればBとCも併せて提出できるのに・・。)
しかしAの書類は現在慎重に確認してもらっているところ。
(そこをチェックしなくともおおまかな概要は伝わるし、仮に間違っていたとしても全体に不都合が起こる範囲ではないのだが・・)
それでも入念な確認作業は終わるまで、こちらに回ってくることはありませんでした。
しかし、そんななかでこのスタイルが上手くマッチした事例がありました。
それは私がいつものようにスピードを重視して、おおまかに作成し提出した書類に対して慎重なチームメイトはじっくりと確認をしていたわけですが、そこで変更したほうがよいであろう部分に気が付いたのです。
そこは私もひっかかっていた点ですが、あえてこれまで通りで流すことで効率を重視したわけですが、深く考えた相方はこれにひっかかり納得をしていなかったようです。
しかしなかなかそれを大きく軌道修正している時間は私にはとれそうにありません。
そうこうしている内にも別の仕事が舞い込んできて、優先順位が後になってしまいました。
すこししてふと気が付き、その書類がどうなったのか問いかけたところ
「ここの部分はこれで確認して…こうして直しておきました。」
というような具合で、よりよい方向へキッチリ収めてくれていました。
私の案をさらに細かく砕き、グレードアップさせてくれたということです。
手間を惜しまず細部まで完成度を高めてくれたその姿をみた時に
「2つの性質が良い具合にミックスされることで相乗効果になるな」
と感じました。
互いに補完しあって高まっていくというのは理想形です。
弱点の無い、より完全に近いものになるということです。
お互いを否定してぶつかっては台無し
2つのスタイルがうまく重なり合えば2倍以上の力が発揮されることは先ほど記したとおりですが、これはお互いを認め合って長所を高めあっているからこその結果です。
私自身正直もどかしい思いはあったものの、チームとして相手方のスタイルに口を挟むことはありませんでしたし、何か案があればそれを尊重しながら進めていました。
相手もそのあたりをさりげなく配慮してくれたのか、こちらの意図していることにプラスアルファの要素をのせて返してくれました。
これがもしお互いの違いを受け入れず、真っ向からぶつかってしまっていたらそれぞれの良さは消えてしまい、むしろマイナスにすらなりかねません。
仕事には様々なやり方があると思います。
その人なりに考えて、これまでやってきた人に対して、自分と同じ視点ですべての物事を考えてはいけないのでしょう。
短所は補い合い、長所は高めあう。
相手を考えた行動をすることがチームで成果を出すコツかもしれませんね。
サクサクか慎重か。大事なのはバランス
結局のところすべては「バランス」です。
サクサク仕事をこなす人も慎重に仕事をこなす人もどちらのスタイルも悪いわけではありません。
それぞれが長所・短所を理解し、サポートしあうことで全ての人が活きる場所を作れる職場は強いのではないでしょうか。
1の仕事が2にも3にもなるような…
自分だけでなく周りを巻き込んで大きなプロジェクトをこなせるような…
そんな人間になるためにはあらゆる個性を上手に受け止めて適所に流してあげるマネジメント能力が必要になります。
たまには自分と違う進め方をしている人を観察すると勉強になるかもしれませんね。