【世渡り術の本質】曖昧さ耐性を仕事に活かす

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

曖昧とは、はっきりしないことやぼやけていること。

また、不確かなことであることを指します。

 

特にビジネスなどにおいて曖昧さは致命的なトラブルを生み、

無駄であるかのように、できるだけそぎ落とそうと考える人もいます。

 

その一方で、あえて曖昧であることを、

円滑に進めていく為のポイントとして良しとする考えもあります。

 

「なんで白黒キッチリ付けないのか」

「曖昧なことは命取りになる」

 

「そんなにキッチリすることが本当に良い事なのか」

「あまりにも遊びがないのは自分達を苦しめないか」

 

つまり結局どちらが良いのか??

などとふと思ったことはありませんか?

 

曖昧さに対する個人の受け取り方を心理学の世界では

「曖昧さ耐性」

という言葉を用います。

 

この記事では

・曖昧さ耐性の定義

・曖昧のメリット・デメリット

・曖昧さ耐性と仕事の関係性

 

について解説しています。

 

曖昧さを残すことについて色々な角度から考えていますが、

実は、その曖昧さを完全に失くしてしまうことも良くないと言われているのです。

 

この記事を読んで世渡りの本質を学び、

曖昧さ耐性を仕事に上手く活かすきっかけが生まれることを願います。

Sponsored Link

曖昧さ耐性の定義

曖昧さ

曖昧さ耐性とは、言葉の通り

曖昧さにどれだけ耐性があるか。

を指し、心理学の世界で用いられる言葉です。

 

曖昧さ耐性が高い人は、大雑把であることに寛容であるということ。

曖昧さ耐性が低い人は、細かいところをハッキリさせたい気持ちが強い。

ということになります。

 

はじめにお伝えしておくと、どちらが正しいとは言えません。

なぜなら、世の中は絶妙なバランスによって成り立っているからです。

ここがポイント

 

ちなみに、曖昧さ耐性に関する研究では、

曖昧さ耐性が低い=精神的健康度も低い

曖昧さ耐性が高い=精神的健康度も高い

という結果が出ています。

 

曖昧さ耐性が低いということは、細かいことが気になってしまうということで。

自分の中のモヤモヤを解決しなければならない事が多いということです。

 

曖昧さ耐性が高い場合には、

どうにもハッキリさせることが難しいと判断した事案に、

それ以外に上手い着地点を探り出していきます。

結果的に落ち着けばわりとこだわりがないようです。

 

曖昧さ耐性と仕事の関連性

曖昧

曖昧であるということが、よろしくはない。

と捉えられてしまう場合があるのは、

これまでの日本とその他諸外国との歴史にも関連があります。

 

日本においては、

「口は災いのもと」

というようなことわざもあるように、

発言・主張することが必ずしも良いとは限らないとされています。

 

できることならば上司の意見を立てつつ、

発言を控えて穏便に済ませたいという意識が会議等でも見受けられ、

どうしても意見をしなければならない時には慎重かつ曖昧さを残すというわけです。

空気を読む

 

一方、海外において発言することは、

自身の立場や権利を向上させる為の手段としての認識が古くからあり、

曖昧さは大敵であるとされてきました。

 

そんな中現代のビジネスモデルは海外を参考としたものが多く、

グローバルに展開する上で、曖昧さを残すということは、

あまり時代にマッチしていないということになります。

 

つまりは、この働き方の移り変わりによって、

曖昧さは悪であるという風潮が高まってきているように感じます。

 

昨今では

・コンプライアンス

・スクラップアンドビルド

・ブラッシュアップ

など・・やたらと横文字を並べたがりますよね。

 

仕事上において曖昧さ耐性のある方は、

外資系よりも純日本的な企業に対してこれまで適性があったとも言えます。

 

しかしこれからの時代、ライバルは日本企業だけでなく、

外国企業も意識していく必要があり、

国外からどんどんモノやサービスが進出してくることでしょう。

 

仕事において基本的には曖昧さ耐性が低い方が、

適性があるとみなされる時代になってくるということが推察されます。

 

ただし、先ほど述べたように曖昧さ耐性が低い方は精神的健康度も低いです。

精神的健康度も低すぎると、幸せな生活を送ることはできないでしょう。

 

曖昧さ耐性のバランスをほどよく保つことが現代の世渡りの本質ではないでしょうか。

適度なラインを見極めていく力が、今後ビジネスで求められているともとれます。

 

Sponsored Link

曖昧さのメリット

 

 

さて、ところで物事を曖昧にすることはどのような影響を及ぼすのでしょうか?

メリットを挙げてみます。

 

・あえて答えを出さないことで新しい可能性を見出せる

 1+1の答えは2であって、それ以外はありません。

ですが、もしも1+1の答えが2で無かったとしたら、

 

「一体いくつになるのだろう?」

 

と様々な考えや議論がそこに生まれると思いませんか?

答えがあることだけが全てではないということですね。

 

・人間らしさを欠如しない

 正確さを追及していくと、マニュアル化・合理化・効率化が進み、

最終的には機械化に行きつきます。

近頃はスーパーのレジもセルフレジで機械が処理するようになりました。

 

曖昧さがあるということは人間らしさでもあるということで、

100か0だけでは片づけることができない、

世の中において必要であるということになります。

 

・本質は曖昧の中から見つかる場合もある

これは非常に思考を深く巡らせる必要がある難しい話なんですが

曖昧さの中から新しい可能性を生むことで、

実はそこにあって見えなかった本質が見えるようになった。

とかいう話です。

 

いや難しい

 

例えば料理でいうと、

メニューのレシピをあえてざっくりとしておくことで、

新たな閃きや、より良いものが出来上がったとしたら、

曖昧にしておくことが美味しい料理の本質かもしれませんね。

 

あるいは車のピタッと止まれるはずのブレーキに、

あえてあそびがあることで徐々に利かせることができ、

なおかつ運転を快適にし、急ブレーキにしないようにしている。

 

運転の本質とはその快適さと事故の防止を追求することにあり、

あえて幅をもたせることが、より本質に近いものであった・・とか。

 

物事の本質は意外に身近なところにあったりもするんですが、

たどる道を細かく固定してしまうと、遠回りになってしまうこともある。

というお話です

 

(本質の詳しい事については別途コチラに記してあります)

 

曖昧さのデメリット

曖昧さという表現は、良くも悪くもとることができるため、

当然デメリットもあります。

 

・仕事において大きなトラブルの一因になる

「まぁまぁ・・」

「そのうち・・」

「できれば・・」

などという曖昧な表現は時に大きなトラブルの原因になります。

 

極端な例ではありますが、注文した商品がおおよそ2000円だとして、

実際に確定した額が6000円だったとなると、これは問題になりますよね。

しかし曖昧さは常にこういう問題をはらんでいます。

極端な例ですが

 

・合理化・効率化の阻害

一律にやることが統一されていればマニュアル化して、

効率的に業務をこなすことができます。

 

しかし、曖昧さを残すと担当ごとに若干の違いが生まれ、

判断は現場の責任者に委ねられることになります。

 

よって対応にその都度時間を要し、合理化や効率化をはかることが難しくなります。

 

・問題がぼやけて結論が先延ばしになる

課題を曖昧にしておくということは、解決を先延ばしにすることになるので、

会議等でも時間の無駄となることも多々あります。

物事を決める時にはファシリテーションを学んで、活用すると良いでしょう。

(ファシリテーションについての詳細はコチラです)

 

明確な答えを求められる時に曖昧にしてしまうことは、

信用性を失うことにもなりかねません

 

Sponsored Link

仕事上での曖昧さ耐性は職種により向き不向きアリ

曖昧な表現

曖昧さもあってはいいと言うものの、

職種によって適しているかそうでないかはあります。

ざっくり自分の中で以下のようになります。

 

× 金融機関系

数字を扱う職業なので、誤差が出ることは許されませんし、

曖昧さとは対極の位置にある職業のように思えます。

 

また、創造性や新しいものを積極的に生み出すことを必要としていないので、

曖昧さ耐性が高い方は不向きと言えるでしょう。

 

原則1円たりとも計算を間違ってはいけないが、

ローン審査では多少の忖度があってもいいと思いますが・・・

 

超個人的・・

 

△ 公務員系

古い体質であり、現状維持であったり、慎重さが求められる。

既定路線を無視した大胆な行動は時に疎まれ、

出る杭は打たれる状態になることあります。

 

曖昧であることも大切ですが、

それよりも忠実に業務をこなす力が求められるでしょう。

公務員といっても業種は幅広いので、

公務員という枠の中でも、適性がわかれそうです。

(公務員の仕事についてはコチラです)

〇 デザイナー系

創造力をフルに生かした職業であり、

普通では思いつかない発想が評価される世界です。

現代アートとか

 

正解・マニュアルなどは存在せず、

これまでの固定概念を消し去るような何かを追求していく職業です。

 

その時々の人たちの心に何か刺さるような作品を生むために、

曖昧さというよりもすべてを許容して模索していくのが、

デザインやアートの世界ではないでしょうか。

 

曖昧さ耐性というものに寛容な世界とそうでない世界があるので、

100か0ではなく、調整しながら使い分けていく必要がありますね。

 

Sponsored Link

曖昧さ耐性を仕事で活かす

曖昧さを仕事で活かす

曖昧を排除することよりも、

受け入れることのほうが案外難しいとされます。

 

というのも世の中には正確さを推奨する一方で、

曖昧な部分が残っていることも結構あります。

 

仕事においても正確さばかりを追求しすぎると、

かえってやりにくくなるという矛盾も起こり得るのです。

特に日本では

 

正確さと曖昧さが混ざり合って納得できない場面がおとずれた時に、

自分がどのように対応していくのかが重要です。

 

また、そこをうまく切り抜けられる人は人付き合いが上手だったり、

仕事で成果を残している人が多いです。

 

オーストリアの精神学者であるジークムント・フロイトという人は

「大人になる(成熟する)という事は、曖昧さを受け入れる能力を持つこと」

と言っています。

 

白黒はっきり付けることも大事です。

特に現代のビジネスでは、曖昧さを無駄と捉えてそぎ落としていくこともありますが、

グレーゾーンも存在する以上、

その曖昧さと上手く付き合っていく曖昧さ耐性も必要だという非常に複雑なお話でした。

 

 

Sponsored Link
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*