スルガ銀行のシェアハウス融資問題から投資のリスクを学ぶ

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「かぼちゃの馬車」問題によって浮上してきたスルガ銀行の不正融資問題。
この騒動によって金融機関の融資は一層引き締められ,不動産業界全体にも影響をおよびしつつあります。
この問題で見えてくる投資に対する基本的な姿勢をあらためて考えたいと思います。

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スルガ銀行の不正融資問題とは

株式会社スマートデイズがシェアハウス「かぼちゃの馬車」を販売していくなかで,スルガ銀行が積極的に融資を行い次々とオーナーを生み出しました。
(詳細はこちら)

 

しかし,かぼちゃの場所の入居率は徐々に低下。やがて経営が回らなくなり会社は破綻してしまいました。
サブリース契約を結び,一定額長期間にわたって入るはずだった賃料もストップ。
オーナー達はローンが支払えない状態で大混乱し,自己破産する人も出てきてしまいました。

一方で,物件購入の際に入居が見込めない物件に対しても積極的に融資をしていたとされるスルガ銀行が問題視され,金融庁が調査をした結果
・あまり収益が見込めない物件に対しても積極的に融資をおこなっていた
・属性が基準に満たない場合(年収が低い,自己資金が少ない等)であっても資料を改ざんして審査を通していた。
ことが判明。

破綻のリスクを承知していながら,銀行内で目をつぶり融資を不正に通していたとして厳しく追及されています。

スルガ銀行は個人向けローンで伸びてきた会社

スルガ銀行といえば不動産を多少学んだ人からすると「融資の最後の砦」といったイメージです。
もともとエリアが広く,長期間で組んでくれる上に,その人の属性さえしっかりしていれば通りやすい。

ただし,とてつもなく金利が高い。
このマイナス金利の時代で3~4%台です・・

他の金融機関によっては2倍~3倍程度になります。
(融資の目安はこちら)

 

なのでその金利の高さと返済のバランスをしっかり理解した上で,他の金融機関で断られた場合に利用したりする人も多かった、駆け込み寺的存在です。
審査のスピードも速いことから利用者も増え続け,個人向けの貸出比率は90%を超えています。
そうした対個人の手法で業績をあげてきた特殊な銀行です。

不動産を買い進めていらっしゃる方も物件購入の際にはスルガ銀行さんで,融資を受けてしばらくしたら低金利の銀行へ借り換えるという方法をとる人もいます。

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この問題で感じる違和感

今回の対象者はサラリーマンオーナーが大半です。
スマートデイズの謳っていた内容は

「頭金不要で長期間家賃収入を保証!何もしなくても収入が入ってきますよ」

といったところでしょうか。

近年,国としても貯蓄から投資へ促したり,副業の規制を緩めたりするなどして給料以外で収入を得ようとする流れは高まっているように思います。
そんな中,会社勤めの人間もプラスアルファの収入を望む気持ちは十分に理解できます。

ここで私が考えたいのは,「投資」の原則についてです。
ローリスク・ローリターン
ミドルリスク・ミドルリターン
ハイリスク・ハイリターン

・・・などと言われるように投資は表裏一体です。

リスクがあるからリターンがあるという認識を忘れてはいけないように思います。
ただ,私達はリスクをなるべく避けてリターンは得たいという欲深い生き物です。
なので,極力余計なリスクを減らせるように,勉強をして知識や経験を身に付ける必要があります。
当然その知識を身に付けずに進んでしまえば,リスクが増していくだけです。
今回の問題に照らし合わせてみると・・

多額のローン           →ミドルリスク
万単位のお手軽長期賃料保証 →ミドルリターン

ですがローン部分はサブリースによって無いものとして認識しますから,実質リスクは無いに等しいです。
するとリターンのみが残る形になり,これを多数の人に提供している・・。

 

なんだか違和感があります。

 

この話の余計なものをそぎ落としてシンプルにすると

「何もしなくていいから毎月おこづかいあげますよー」

という形に近くなるわけですが,妙だと思わないでしょうか?
楽して儲けることほど難しいものはなく、この世の中そうそうそんな上手い話はないものです。
この点に気づくことができれば,この問題に巻き込まれることは無かったかもしれません。

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投資をするには学ぶことが大事

ある程度運営できている不動産投資家の皆さんは,熱心に勉強をして知識を積み上げ,購入の際も培った経験と知識をフル稼働させています。
(数年先を見据えた利回りは,土地値はいかほどか,周辺環境はどうか,賃貸需要はあるか・・など)

そうした判断の上で、購入できるレベルに達していると判断できた場合に買付を入れるでしょう。
中には情報を聞いて即買付を入れる場合もありますが,それはこれまでの経験と知識があってこその技です。

融資に関しても,もしスルガ銀行さんでローンを組む予定であるならば,それに見合った上質な物件でないといけないと考えます。(実質利回りで最低10%以上は欲しい)
知識がなければ高めの金利設定であるという認識すらなく,自ら危険地帯に足を踏み込んでしまいます。

多くの成功した投資家の方々を見てみると,今でこそ不労所得に近い状態を作り出しているかも知れませんが,始めから現在に至るまで知識と行動力はすさまじいものがあります。
そうした数々の苦労の上で今の地位が積み上げられていったと考えられます。

話を戻しますが

不動産業者の言いなりで楽々お金が入ってくる仕組みはほぼ無い

と私は思っています。

お互いにそれぞれ利益が得られる絶妙な所に落とし込むのが、不動産投資です。
その為に綿密なチェックを怠ってはいけないものです。

今回の騒動で、当事者だけでなく金融機関全体の融資がさらに引き締まり、一部の人以外は買うことができなくなり、不動産業界が冷え込んでしまう可能性もないとはいえません。

甘い話に安易に乗ってオーナーとして参入するのではなく、投資の心得を学んだうえで、誰も損をすることが無いようになってもらえればいいな・・と感じた出来事でした。

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