かぼちゃの馬車問題にみるサブリースの問題点

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話題になった「かぼちゃの馬車」問題をご存知でしょうか?

女性専用のシェアハウスを主軸にオーナーを集い,サブリース契約をしたものの経営が上手くいかずに支払いがストップ。

そのため,今後オーナーによる破産が続出するかもしれないといわれている問題です。

そこから見るサブリースの落とし穴について考えてみたいと思います。

 

 

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「かぼちゃの馬車」問題

 

かぼちゃの馬車と聞くとファンタジーを想像させる素敵なネーミングであるが,現実は残酷なものでした。

運営会社スマートデイズは女性専用のシェアハウスとして「かぼちゃの馬車」を立ち上げ,投資用物件としてオーナーに購入してもらうよう促していました。

さらにその購入した物件に対して高利回りのサブリース契約(一括借り上げ)を結び,長期的に安定した家賃を保証すると宣伝していました。

 

銀行から融資を受けた会社員を中心に数百名ものオーナーが集まり,運営は一時順調に見えましたが,入居者が思うように入らず低迷が続き業績も悪化。

2017年から徐々に賃料が減額されていき,2018年の始めには全く支給されなくなってしまった模様です。

やがて経営が行き詰まってしまったのか,2018年4月にスマートデイズは民事再生法の適用を申請,負債総額は60億程度といわれています。

(その後東京地裁に棄却され,破産手続きに移行)

 

大半のオーナーは銀行より融資を受けて購入しているために,サブリースによる賃料は止まってしまっても毎月の返済はやってきます。

支払いが不能になってしまう方も今後続出すると見られていますが,その一方で銀行による不正な融資や業者間で利益の中抜きもあったのでは?

と疑念が抱かれています。

 

サブリース契約とは?

 

サブリースとは転貸を指します。

自分がオーナーとして物件を持っているとして,その物件を管理会社が一括で借り上げます。

その代わりに管理会社はオーナーに対して相場の8割程度の賃料を毎月支払うという仕組みです。

 

通常入居者がいなかったり家賃滞納があったりすると,当然ながら賃料も入ってきませんが,このサブリース契約を結ぶことで空室のリスクを気にすることなく,オーナーは安定的な収入を得ることができます。

管理会社は入居者からの賃料とオーナーに支払う差額で利益を出しています。

この話だけ聞くとWIN-WINの関係でよくできたシステムですね。

 

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サブリース契約は良いことばかりではない

 

良いことづくめに聞こえるサブリース契約ですがそんなことばかりではありません。

人によっては悪いことだらけで絶対にやってはいけない!などと言う方もいるほどです。

その理由としては・・

 

賃料の改定がある

建物が存在する限りずっと同じ賃料というわけにはいきませんので,数年毎に見直しが入ります。なので,収益としては下がり続けていく可能性があります。古くなってくれば入居率も悪くなってくるでしょうからそこは会社も必死です。

 

修繕や所定のメンテナンスの依頼がある場合も

少しでも高い賃料と入居率を維持するために,現状回復だけでなくメンテナンスの依頼があるかもしれません。(契約による)

その費用はオーナー負担となりますので,契約の際にそういった文面が記載されていないかチェックが必要です。

 

サブリースを見込んだ代金が物件購入価格にプラスされている・・かも

長期一括借り上げを謳っている会社はそもそも購入価格に支払うべき賃料分が乗っかっている・・という噂があります。

しかしその件を会社に直撃したところで素直に「ハイそうですね」とは言ってくれないと思うのであくまで噂ということなんですが・・。

通常の価格よりもやや高いな?と感じたら,よく確認する必要があります。

 

会社が倒産すれば支払いもゼロになる

 上述したスマートデイズと同様で,支払う原資がなくなれば契約を結んでいても賃料はゼロになります。

サブリース契約を解除して自分で運営をするわけですが,空室を埋めるのはそう簡単ではありませんから,すぐに今まで通りの賃料が得られるかというと疑問がのこります。

 

その他細かい部分は色々ありますが,一番重要なことは

 

「契約を結ぶ前に,契約書を隅々までよく読み疑問があればクリアにしておく」

 

ことかと思います。

細かい文章をチェックするのはなかなか骨が折れますが,今後の自分の収入に影響があるかもしれませんので,契約書はしっかりと目を通しておくことが大事です。

「知らなかった!」と後から後悔しても,時すでに遅しです。

不動産に関しては私も模索しながらチャレンジしております 参考記事はコチラです。

 

とにかく知識と情報を持ちましょう

 

今回のかぼちゃの馬車問題もそうですが,購入した会社員の中には

 

「業者に任せておけば定期的に賃料が勝手に入ってくるから楽でいいや」

 

とセールストークに乗っかってしまい,何の知識も持たずに突き進んでしまった方もいるかと思います。

 

その結果,とりかえしのつかない大きな借金を背負ってしまい,投資のスタートラインとして大きくつまづいてしまいました。

果たして物件購入前に十分な精査がされていたのでしょうか?

不動産において大事な要素である立地や,地域のリサーチなどのチェックを怠ってしまうとその分失敗するリスクが高まることを理解しておく必要があります。

個人的にはサブリースはシステムとして合理的ですし,うまく続けることができれば空室を恐れることのない大きなアドバンテージとなります。

 

実際に私も中古で購入した物件で,サブリース契約を結んでいる物件がありますが,サブリースを結ばなくても十分入居者が見込めますし,むしろ賃料が上がるため解除されても特に問題は無い状態となっております。

そういった選択肢が持てたのも,物件を購入する前段階で調査をおこなったことで,そこまで織り込んでイメージすることができたからです。

 

知識と情報を手に入れることで,限りなくリスクを減らし,今回のかぼちゃの馬車騒動のような目に遭う方が少しでも減ることを願っている今日この頃でした。

 

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