働き方改革と教員の部活動問題について考える

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皆さん働き方改革ってご存知ですか?

最近よく耳にする言葉です。

しかし、その改革が勤務環境が特殊な教育現場においては、まだまだ浸透はしていないようです。

 

実際に友人の勤務する職場の環境について色々と聞く機会があったので。

ここぞとばかりに根掘り葉掘り聞いてみました。

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働き方改革とは?

 

安部内閣が推進している計画で

 

ひとりひとりの能力や事情を考えながら、柔軟な働き方をおこなうことで、ワークライフバランスと生産性の向上させる

 

ことを目的としたものです。

何度も会議を行って練り上げた具体的な計画としては

 

・非正規雇用者の処遇改善

・賃金の引き上げと生産性の向上

・長時間労働の是正

・柔軟な働き方ができる環境の整備

・女性・若者の人材育成

・高齢者の就業促進

・外国人材の導入

 

などなど日本の労働環境を抜本的に見直していきましょうといった内容がてんこ盛りです。

 

これまでは生産性というよりも、とにかくひたすら時間をかけて仕事をこなす。

また、その姿を評価するというような風習がどこの企業にもありました。

しかし、それを続けていては身心ともに疲れてしまい、生産性は向上するどころか低下。国としての発展も見込めません。

 

私も疲れて嫌になってしまった時期があります。

 

 

学校現場での働き方改革

 

そんな中、学校の先生の長時間労働がニュースなどで時々話題になります。

過労で倒れてしまうレベルの残業を毎月おこなっているとか…で結構大変そうです。

働き方改革は学校には浸透していないのでしょうか?

 

文部科学省としてもこの状況を打破するためにあれこれ策を練っているようです。

 

ざっくりいうと

 

「先生がダウンしてしまわないように業務内容を見直しつつも、限られた時間の中で子供たちとかかわる時間を十分に確保できる状況を作り出すことを目指す」

 

ということだそうです。

 

勤務実態調査によると教員の労働時間は月に70~100時間に達しているそうです。

おそろしや・・ですね。

 

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主な原因は時間外労働・部活動

 

なぜそんなに時間外労働をしなければならないのか。

色々調べていると、どうやら授業+αの部分が大きいみたいですね。

 

例えば、子どもたちが帰るまではその間目を離すわけにはいかないので、他の仕事を行うことができない状態。

その溜まってしまった分を子どもたちが帰った後に処理する。

気が付けばとっくに勤務時間は過ぎている・・

といった様子。

 

また、中学校だと部活動があります。

平日は夕方まで指導し、休日は試合などで時間をとられてしまう

結果、膨大な時間勤務していた。

みたいなことになっているようです。

休日が無いってことですかね?

 

実際に知り合いにたずねてみた。

 

ということで調べているうちに非常に興味深いものがあったので、友人に直接聞いてみました。

この友人は小学校・中学校ともに勤務した経験がある中堅の教員です。

以前から大変そうだという話は聞いていたのですが、その当時は私自身も人にかかわっている余裕がなかった為に、スルーしてしまっていました。

 

良い機会なので、ちゃんと話を聞いてみることに。

というか今まで関心が無くて申し訳なかった・・。

以下はやりとりを適当にまとめたものです。

 

「今世間では、ブラック企業があーだとか働き方改革がどうとかいわれているけど、先生って職業はどうなの?」

 

「んー・・教員って仕事はやっぱり特殊だし、特に自分が感じられるような世間の影響は何も出ていないかな。残業時間を減らすとか厳しいんじゃないかな。」

 

「そもそも何がそんなに忙しいの?」

 

「日中は子供たちの対応が基本で、実際の仕事ができるのは夕方からかな~・・。夕方は場合によっては保護者の対応だったり、会議もあるし、行事や授業準備もある。」

 

「あっという間に勤務時間を過ぎてしまうということだね」

 

「会議が勤務時間後に始まることも普通にあるからね、特に中学校は部活動が夕方18時とかまであるだろうから、その後なんやかんやで19時から会議が始まったりする。」

 

「もちろんそれ以外の業務は全体の会議が終わった後になるからね、定時に帰るのは無理かなー」

 

「ちなみにだけど、ちゃんと残業代みたいなのは出ているんだよね??」

 

「たしか休日は部活動で少し手当が出てるかな?平日は無いと思う。その分見込み残業代分として給料が支給されていたはず。」

 

「そうなんだ・・。どうなのそれ?その金額と時間どっちか選んでいいよ。と言われたらどっち取る?」

 

「時間です 笑」

 

「でも部活動については、さすがにやり過ぎだから抑えましょうという流れは出てきているかな。土日のどっちか一日は空けましょうとかね。」

 

「ほうほう、それは働き方改革の影響がでているのかな」

 

「でもね、現場としては難しいところがある。というのも中学校の先生は部活動で自分の専門分野を教えたくて教員を目指している人が多数いるのも事実なんだよね。」

 

「あ~確かに大会とかで結果を残してる人とかいるよね。名将みたいな」

 

「だからその先生方からすれば、自分のやりたいことを制限されて困ると。時間外でもなんでも構わないからやらせてください。みたいな」

 

「なんだか矛盾しているというか・・時代と逆行している 笑」

 

「うん、でも信頼関係とか生活指導という面においては確かに簡単に取り除けない部分もある気もするんだよね。」

 

「やっぱり長い時間過ごすことで、こちらの意図も伝わるし、礼儀作法も部活動を通して自分なんかも教わってきたし。何より部活動をしていると余計な悪さをしている時間が無いから学校としては安定する部分もある。」

 

「なるほど・・。確かに暇なやつほどエネルギーを持て余しているからね。好奇心旺盛だし、よからぬことにつかってしまいそうだ。」

 

「でしょう?だから教員だからできる教えられる部分があって、それを外部に委託してってのもちょっと違うのかなー・・って思うことはある。負担はものすごく減るだろうけどね」

 

「んー・・。なんかリアルな現場の声が聞けたなぁ。最後に、そんな大変でもこの仕事を続けていくの?」

「確かにすごくハード。自分の時間は少ないし・・でも人を相手にしていてやりがいもあるから、体の持つ限りは続けていこうかと思っているよ 笑」

 

ということでその場はお開き。

非常に良いお話をいただきました。そんな限られた時間をつくってくれた友人には感謝です。

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働き方改革には教員という仕事の性質を理解した方策が必要

 

話を聞いてみて思ったことは

むやみやたらと残業するのは良くないが、学校現場はただ時間外勤務を減らそうとするだけではいけない。

ということです。

 

確かに

部活動であれば実施する回数を減らせばよいだけ

授業や行事であればシンプルに効率的にするだけ

 

ということになるんですが、それでは学校生活が充実していないし、教育の質の低下を招いてしまうことになりかねません。

 

また、これまでに自分が学校で活動・経験してきた部分から教師を目指す人もいるでしょう。

それを働き方改革によって奪われてしまうことが無いのだろうか?

 

私が聞けたようなリアルな現場の声を、しっかり受け止めながらワークライフバランスを考えた有効な方策を実施してほしいと思います。

 

世間では、日本の学校現場はブラックだとかなんだとか言われている。

それでも先生方は変わらず、子供たちのために毎日夜遅くまで一生懸命働いている。

 

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