
物事の本質を見抜き、意味をとらえることができる人は、どの世界においても成功できる力を持っているように思います。
それはつまりその場におけるベストな判断をみちびきだし、無駄のない効率的な動きができるということになります。
ではそのような力を得るためにはどのようにしたらいいのか?
物事の本質の捉え方や意味について考えてみました。
そもそも物事の本質や意味とは
物事の本質とはひとことで言うなら
「見えないようで見えている特徴」
といったところでしょうか・・。
・・え??
って感じですよね。
いや、お気持ちはわかります。
一体何が何やら・・・
まず、「見えていないかのように見えている」状態ということは、その対象をしっかり見ようとしなければいけないですよね。
その為には、その物の背景を考えたり、そこに存在する意味を知ろうとしたりと深く考えを巡らせる必要があります。
さらにしっかりと見るといっても一部だけを見ていては仕方ありません。
全体を見て、わずかな変化も含めたすべてを知ろうと努力しなければなりません。
一般人が映画のワンシーンだけを見て、結末や製作者の意図を理解することは困難ですよね。
そしてそこから対象が何を伝えようとしているのか を感じ取ることが大事です。
その時に自分の思考(目線)は、いったん脳の片隅にでも置いておきます。
なぜなら、自分の思考は正解である確証はないですし本質を知ろうとする際には邪魔になってしまうことがあるからです。
本質を知ることの意味は
それが対象をあらわす真の答え、もしくは答えに限りなく近いヒント
であるということです。
本質を捉えることができれば、表面上に出ている情報よりも更に一歩踏み込んだ境地に到達することができます。
すると先述したような最適な対策や動きができるようになるというわけです。
物事の本質を捉える方法
では、物事の本質を捉えるためにはどのようにしたら良いのでしょうか?
重複した話になる部分もありますが、私が思うに
・様々な見識を積み、多角的にみる力をつける。
情報を受け入れて整理する素地が必要なので、いろいろな人に会ったり、本を読んだりするなどして、とにかく自分とは異なる考え方に多く触れておくと良いかと思います。
・赤子のようにまっさらな状態でみる。
様々な情報や知識を取り入れたとしたうえで、本質を捉えるためにはあえてニュートラルな状態で物事をみることが大事です。
自分の培った経験や考えがかえって本質を理解することから遠ざけてしまう可能性もあります。
一旦これまでの余計な知識や常識は取り払っておきましょう。
・一部だけでなく、全体を色々な面でみてみる。
先述した通りです。断片的な情報のみですべてを理解できるほど簡単なものではないかと思います。
木を見て森を見ず。森を見て木を見ず。とならないバランスを保ちましょう。
・入ってきた情報をさらに深く考え、整理する。
上の3点を実践したうえで得られた情報を、今度はこれまでのあらゆる経験や知識をフル活用して自分の中に落とし込みます。
このあたりが出来ていれば、ある程度つかむことができているのではないかと思います。
ビジネス・プライベートどちらでも有効
本質を捉えることは、ビジネスでもプライベートでも生活していく上でとても役に立ちます。
例えばこんなやりとりがあったとします。
仕事で上司から
「このプロジェクトの為に××までに〇〇の書類作成をお願いします」
と言われたとします。
その後作成は進めているものの同時並行でなかなか進まず。
数日後、締め切りが近づいてきた時に
「〇〇の書類進んでる?」
に対して
「いえ、まだ完成していませんが・・」
と答える。
それに対して上司は
「そうか・・」
という会話で終了した。
一見すると締め切り前ですし、確認を受けて事実を話しただけの事です。
しかし上司の心情などを察しながら深く掘り下げていくと
・上司はより良い形でプロジェクトを成功させたいと思っている背景があるのでは。
・自分で作ることは造作もないが、あえて部下に任せている可能性がある。
・期日の猶予は設けているが、実際は資料として少しでも早く欲しいのでは。
・進捗状況を確認された時に、そろそろ仕上げてほしい。という思いが込められていないか。
・確認の時にどのくらいまで進んでいるのか報告・連絡を欲しがっていないか。
・「そうか・・」の中に含まれている感情は失望では。
などなど考えだせばキリがありません。
その中でこちらが考えているものが相手にとってそうではない可能性もあり、杞憂に終わるかもしれません。
しかしこうした状況をあらゆる視点で考え、洗練していくことで相手のこの件に関する意思を見極めることができ、最適な動きができるようになるわけです。
今回の部分でいうと
・上司のプロジェクト成功の為に、進捗状況の確認を受けるまでもなく最優先で書類を作成する。期日間際では相談などでより良い形に修正するのは難しい。
・期待をされて任されているかもしれないことを考えると、プラスアルファの働きをするこで、後々本人の評価にかかわってくる。
ということが抑えるべきポイントかと思います。
メンタリストのような分析みたいになってきましたが、結局深く知ろうとするという部分では似たところがあるのかもしれませんね。
プライベートでも例えば恋愛などにおいて相手が何を言おうとしているのか。今の気持ちはどうなのかを察することができれば、その後の駆け引きにおいても大きなアドバンテージを得ることができるようになります。
本質を捉えることは難しい
文字では簡単そうに見えるようですが、本質を捉えるということは非常に難しいです。
自分がここだ!と思った部分が案外ズレていたり、そんなことはよくあります。
しかし何度も経験を積むことで、やはりある程度大きく外れない範囲での目星はついてくるものです。
まずは、自分自身が様々な分野で見識を深め、その上で物事についてしっかりと向き合いあらゆる思考を巡らせることが第一歩かと思います。
野球であればバットを振り続け、スイングを研究し、ボールに当て続けることで「芯」を捉えられるようになります。
それはつまりボールの飛ばし方の本質を学ぶということです。
本質はあらゆるところに存在するものであると思います。
まずは自分の得意分野で実践してみてはいかがでしょうか。